こんばんは、翡翠です。
HPも日記も更新せずに本当に申し訳ありません・・・。
本日、久しぶりにDP7話、UPいたしました。
ようやく一つ目のバッジゲットです。
このまま調子よく更新していけたらと思っていますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
HPも日記も更新せずに本当に申し訳ありません・・・。
本日、久しぶりにDP7話、UPいたしました。
ようやく一つ目のバッジゲットです。
このまま調子よく更新していけたらと思っていますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
こんにちは。ホントにお久しぶりです。翡翠です。
やっぱり高3は何かと忙しいですね・・・。しかも私就職希望だからなぁ・・・。
まぁ、言い訳なのですが(苦笑
やっぱり気軽にHP更新できるのは中学生までだったかなぁ(汗
5月25日に拍手をもらっていたのですが、例の如く気がつかず・・・(滝汗
遅れて申し訳ないですっ!!!(汗
>李空へ
遅れてごめんねぇっ!(滝汗
そー、修学旅行で。
イタリアは私も行きたい!唯一行きたい国外だよ!
後は国内でいいやぁ・・・(笑
でも本物のマフィアには気をつけないとねー(苦笑
ツナみたいな可愛くて綺麗でしかも優しいボスは居ないだろうし(笑
ホントに遅れてゴメンね・・・。
やっぱり高3は何かと忙しいですね・・・。しかも私就職希望だからなぁ・・・。
まぁ、言い訳なのですが(苦笑
やっぱり気軽にHP更新できるのは中学生までだったかなぁ(汗
5月25日に拍手をもらっていたのですが、例の如く気がつかず・・・(滝汗
遅れて申し訳ないですっ!!!(汗
>李空へ
遅れてごめんねぇっ!(滝汗
そー、修学旅行で。
イタリアは私も行きたい!唯一行きたい国外だよ!
後は国内でいいやぁ・・・(笑
でも本物のマフィアには気をつけないとねー(苦笑
ツナみたいな可愛くて綺麗でしかも優しいボスは居ないだろうし(笑
ホントに遅れてゴメンね・・・。
こんにちは、お久しぶりです、翡翠です。
4月23日に拍手コメントをいただいていたのに今更に気がつきました!(汗
すみません・・・!!!(滝汗
>小説のポケモンたちは〜
遅れてしまい、申し訳ないですっ!!!(汗
うーん・・・ポケモン達が話せるわけではなく、トレーナーたちの方が少し特殊・・といいますか、一緒に旅をして、絆が深まるにつれ、ポケモンたちの言葉というか、言いたい事が理解出来るようになってきてる・・・という感じですね。
だから、トレーナーたちも完全に分かってるわけではなく、「なんとなく、こんな事を言ってるんだろうな」「こんな事が言いたいんだろうな」と思って接してるので、ハタから見て、「言葉が分かるの?」な感じになってるいるのです。
・・・こんな答えで大丈夫ですか・・・?(汗
返事遅れて申し訳ないです・・・!
ちゃんと、パソコン開かなきゃ・・・(汗
4月23日に拍手コメントをいただいていたのに今更に気がつきました!(汗
すみません・・・!!!(滝汗
>小説のポケモンたちは〜
遅れてしまい、申し訳ないですっ!!!(汗
うーん・・・ポケモン達が話せるわけではなく、トレーナーたちの方が少し特殊・・といいますか、一緒に旅をして、絆が深まるにつれ、ポケモンたちの言葉というか、言いたい事が理解出来るようになってきてる・・・という感じですね。
だから、トレーナーたちも完全に分かってるわけではなく、「なんとなく、こんな事を言ってるんだろうな」「こんな事が言いたいんだろうな」と思って接してるので、ハタから見て、「言葉が分かるの?」な感じになってるいるのです。
・・・こんな答えで大丈夫ですか・・・?(汗
返事遅れて申し訳ないです・・・!
ちゃんと、パソコン開かなきゃ・・・(汗
日記にて連載中のキャラ紹介をしてなかった事に今更ながら気がついたのでちょっと載せたいと思います〜。
【赤嶺 夏希(あかみね なつき)】
私立橘男子高等学校、一年B組。16歳。
赤茶色の猫っ毛短髪に、同じく赤茶色の瞳。一人称は「オレ」
変身時は鮮やかな紅の髪に、深紅の瞳。
身長159cm、体重43kg。B型。
バスケットボール部所属。
明るく無邪気で、子どものような性格。
熱血で、猪突猛進タイプ。
思いついたら即行動。思い立つが吉日、で頭で考えるより行動するタイプ。
天然でもあり、よく爆弾発言をする。逆に、爆弾発言には疎い。
そして自分に向けられる好意にも疎い。
友達は多く、しかも幅広い。
人懐っこく、子どもともすぐ仲良くなれ、動物にもよく懐かれる。
童顔なので、いつも年下に見られる。
仲間を思いやる心は人一倍。
自分への悪口は喚くだけだが、仲間への悪口は絶対に許さない。
運動神経が抜群によく、「猫みたい・・・」と言われるほど。
実際に身体はものすごく柔らかく、高いところから落ちても平気。
勉強はからきしダメで、赤点はいつもの事。補習の常連。
目下最大の悩みは身長が伸びない事と童顔なこと。
甘党で、甘いものならどれだけでも食べられる。
腹違いの兄がいるらしい。
律とは生まれた時からの幼馴染。
【青桐 律(あおぎり りつ)】
私立橘男子高等学校、一年B組。16歳。
深い青が薄く混ざる黒の短髪に、青が薄く混ざる黒の瞳。一人称は「俺」
変身時は深い青の短髪に、蒼の瞳。
身長167cm、体重51kg。AB型。
剣道部所属。
大人っぽく、冷静な性格。
何事も、まずは計画を立ててから行動を開始する慎重派。
熱くなった夏希をとめるのはもっぱら律の役目。
夏希の爆弾発言に振り回されるのも、律の役目。
運動神経はよく、学年トップの成績。テスト前は夏希の臨時家庭教師になる。
夏希とは生まれた時からの幼馴染。昔から家族ぐるみの付き合いをしていた。
律の両親が幼い時に事故で亡くなってからは、さらに家族同然の付き合いだった。
小さい頃は夏希が嫌いだったが、徐々に好きになり、ある事件をきっかけに夏希が何よりも一番大切になった。
剣道部に入った理由も、夏希を守るための力をつけるためと、部活で帰りの遅い夏希と共に帰れるようにという理由がある。
夏希を傷つけるものは絶対に許さない。
独占欲が強い。
夏希の餌付け用に、お菓子を常備している。
そして怪我の多い夏希のため、救急セットも常備している。
夏希以外に「律」と名前で呼ばれる事が嫌い。
実は料理が得意だったりする。
【黄野瀬 裕輔(きのせ ゆうすけ)】
私立橘男子高等学校、二年B組。16歳。
金髪の襟足だけ肩より少し長い髪に、金色が混ざる黒の瞳。一人称は「オレ」
変身時は瞳が金色に変わる。
身長175cm、体重58kg。B型。
陸上部所属。
軟派で飄々とした性格。
女の子を口説くのが生きがい。
少々面倒くさがり屋のため、あまり戦うのが好きではない。
だが、やると決めたらやる男。
友人は広く浅く主義だったが、夏希と会ってからその考えを変えた。
不良だが、頭はいい。運動神経もいい。
夏希の事は自分でもビックリするぐらい構い倒す。
しまいにやりすぎ、律に拳骨と説教を食らう。
不良のため、親に勘当されており、いろんなところを泊まり歩いていたが、この頃学校が以外に居心地がいい事に気づき、それ以来学校で暮らしている。
ギターが趣味で、バンドは組んでいないが、音楽関係の友達も多い。
【桃夜・スプリング・ケイン(とうや・すぷりんぐ・けいん)】
私立橘男子高等学校、二年C組。17歳。
薄く桃色が混ざる肩より少し長い長髪に、赤桃色が混ざる黒の瞳。一人称は「ボク」
変身時は桃色の同じ長さの長髪に、赤みを帯びた桃色の瞳。
身長160cm、体重44kg。B型。
吹奏楽部所属。
少々生意気で腹黒い性格。
人を苛立たせるのが得意。しかもそれを意図的に、そして笑顔でやるので始末が悪い。
人を罵るのも上手く、思わず土下座して謝りたくなるほど。そしてその時にももちろん笑顔。
ハーフで、母親が日本人、父親がイタリア人。
日本人だがイギリス文化に興味のあった母親の影響からか、毎日ティータイムがある。
夏希が可愛くて可愛くて可愛くてしょうがないらしく、猫可愛がりしている。
甘いもの好きな夏希のため、ティータイムのおやつは甘いものと決まった。
自分はとても可愛いと思っており(実際そこら辺の女子よりは可愛い)その可愛さを武器にする。
女装が好きで(趣味ではない)よく女の子の服を着ては、赤くなる夏希に抱きついている。
そして律と睨み合いの喧嘩をしている。
運動は嫌い。だが、出来ないわけではない。勉強は学年一位という頭脳明晰者。
その所為なのか、パソコンを弄るのが好きで、よくウイルスを作ったりしているらしい。
ネットオークションも大好き。
疲れる、との理由で身体を動かすのが嫌いだが、いざという時には暴れまわる。
以上です!
後2人は、登場した時にでも紹介しますね!
それでは、これにて!
【赤嶺 夏希(あかみね なつき)】
私立橘男子高等学校、一年B組。16歳。
赤茶色の猫っ毛短髪に、同じく赤茶色の瞳。一人称は「オレ」
変身時は鮮やかな紅の髪に、深紅の瞳。
身長159cm、体重43kg。B型。
バスケットボール部所属。
明るく無邪気で、子どものような性格。
熱血で、猪突猛進タイプ。
思いついたら即行動。思い立つが吉日、で頭で考えるより行動するタイプ。
天然でもあり、よく爆弾発言をする。逆に、爆弾発言には疎い。
そして自分に向けられる好意にも疎い。
友達は多く、しかも幅広い。
人懐っこく、子どもともすぐ仲良くなれ、動物にもよく懐かれる。
童顔なので、いつも年下に見られる。
仲間を思いやる心は人一倍。
自分への悪口は喚くだけだが、仲間への悪口は絶対に許さない。
運動神経が抜群によく、「猫みたい・・・」と言われるほど。
実際に身体はものすごく柔らかく、高いところから落ちても平気。
勉強はからきしダメで、赤点はいつもの事。補習の常連。
目下最大の悩みは身長が伸びない事と童顔なこと。
甘党で、甘いものならどれだけでも食べられる。
腹違いの兄がいるらしい。
律とは生まれた時からの幼馴染。
【青桐 律(あおぎり りつ)】
私立橘男子高等学校、一年B組。16歳。
深い青が薄く混ざる黒の短髪に、青が薄く混ざる黒の瞳。一人称は「俺」
変身時は深い青の短髪に、蒼の瞳。
身長167cm、体重51kg。AB型。
剣道部所属。
大人っぽく、冷静な性格。
何事も、まずは計画を立ててから行動を開始する慎重派。
熱くなった夏希をとめるのはもっぱら律の役目。
夏希の爆弾発言に振り回されるのも、律の役目。
運動神経はよく、学年トップの成績。テスト前は夏希の臨時家庭教師になる。
夏希とは生まれた時からの幼馴染。昔から家族ぐるみの付き合いをしていた。
律の両親が幼い時に事故で亡くなってからは、さらに家族同然の付き合いだった。
小さい頃は夏希が嫌いだったが、徐々に好きになり、ある事件をきっかけに夏希が何よりも一番大切になった。
剣道部に入った理由も、夏希を守るための力をつけるためと、部活で帰りの遅い夏希と共に帰れるようにという理由がある。
夏希を傷つけるものは絶対に許さない。
独占欲が強い。
夏希の餌付け用に、お菓子を常備している。
そして怪我の多い夏希のため、救急セットも常備している。
夏希以外に「律」と名前で呼ばれる事が嫌い。
実は料理が得意だったりする。
【黄野瀬 裕輔(きのせ ゆうすけ)】
私立橘男子高等学校、二年B組。16歳。
金髪の襟足だけ肩より少し長い髪に、金色が混ざる黒の瞳。一人称は「オレ」
変身時は瞳が金色に変わる。
身長175cm、体重58kg。B型。
陸上部所属。
軟派で飄々とした性格。
女の子を口説くのが生きがい。
少々面倒くさがり屋のため、あまり戦うのが好きではない。
だが、やると決めたらやる男。
友人は広く浅く主義だったが、夏希と会ってからその考えを変えた。
不良だが、頭はいい。運動神経もいい。
夏希の事は自分でもビックリするぐらい構い倒す。
しまいにやりすぎ、律に拳骨と説教を食らう。
不良のため、親に勘当されており、いろんなところを泊まり歩いていたが、この頃学校が以外に居心地がいい事に気づき、それ以来学校で暮らしている。
ギターが趣味で、バンドは組んでいないが、音楽関係の友達も多い。
【桃夜・スプリング・ケイン(とうや・すぷりんぐ・けいん)】
私立橘男子高等学校、二年C組。17歳。
薄く桃色が混ざる肩より少し長い長髪に、赤桃色が混ざる黒の瞳。一人称は「ボク」
変身時は桃色の同じ長さの長髪に、赤みを帯びた桃色の瞳。
身長160cm、体重44kg。B型。
吹奏楽部所属。
少々生意気で腹黒い性格。
人を苛立たせるのが得意。しかもそれを意図的に、そして笑顔でやるので始末が悪い。
人を罵るのも上手く、思わず土下座して謝りたくなるほど。そしてその時にももちろん笑顔。
ハーフで、母親が日本人、父親がイタリア人。
日本人だがイギリス文化に興味のあった母親の影響からか、毎日ティータイムがある。
夏希が可愛くて可愛くて可愛くてしょうがないらしく、猫可愛がりしている。
甘いもの好きな夏希のため、ティータイムのおやつは甘いものと決まった。
自分はとても可愛いと思っており(実際そこら辺の女子よりは可愛い)その可愛さを武器にする。
女装が好きで(趣味ではない)よく女の子の服を着ては、赤くなる夏希に抱きついている。
そして律と睨み合いの喧嘩をしている。
運動は嫌い。だが、出来ないわけではない。勉強は学年一位という頭脳明晰者。
その所為なのか、パソコンを弄るのが好きで、よくウイルスを作ったりしているらしい。
ネットオークションも大好き。
疲れる、との理由で身体を動かすのが嫌いだが、いざという時には暴れまわる。
以上です!
後2人は、登場した時にでも紹介しますね!
それでは、これにて!
ジリリリリリッ!!
「夏希ー!起きなさーい!」
目覚まし時計のアラームと母親の声が響く。
もそもそと布団の中で動いた夏希はふぁ・・・と小さな欠伸を漏らしながら顔を出した。
「ほらっ、早くご飯食べないと律君来ちゃうわよ」
それなりに制服に着替え、トン・・トン・・・と階段をゆっくり下りてゆく。
そんな夏希に言いながらテキパキと朝食を準備する。
彼女の名前は赤嶺愛美。昨日律が名前を出した夏希の母親だ。
年齢を曖昧にしてる童顔は、どうやらしっかり夏希に遺伝したらしい。
まだ寝ぼけ眼の夏希は椅子に座ってもまたボーっとしている。
「・・・律君、また怒るだろうなぁ・・・」
(ビクッ!)
そんな息子の姿に、愛美ははぁ・・・とため息混じりに呟いた。
その途端、夏希の身体が思い切り跳ねた。
彼の脳内では、時間通りに出てこない夏希を見下ろし、怒りも露に仁王立ちしている律が居る。
一気に覚醒した夏希は、慌てて朝食を喉に流し込む。
「ホントによく効くわv」
愛美はそんな息子の姿を見ながら、そうにこっ、と微笑んだ。
******************************
朝食を慌てて食べきった夏希は、行ってきますの挨拶もそこそこに、玄関の扉を開け放つ。
「ゴメンっ!律!!!」
そしてバッと頭を下げながらそう叫ぶ。
だが、聞こえてくるはずのため息が上から聞こえてこない。
と、いうより、律の気配がない。
幼いころから一緒に居るため、律の気配だけは人の気配に鈍感な夏希でも分かるのだ。
そろ〜っと顔を上げてみると、ちょうど向かいの家から律が出てくるのが見えた。
いつも家の前で夏希が出てくるのを待っている律が、夏希よりも家を出るのが遅い事は滅多にない。
パチパチ、と瞬きを繰り返した夏希は、しかしハッと我に返り、慌てて律のそばに駆けていく。
「あぁ・・夏希。おは――
そこで律の言葉が切れる。
それもそのはず。夏希が律に抱きつき、首筋に顔を埋めているからだ。
いきなりの事に完全に固まりつつも、思考だけは忙しく回っている。
そして、状況を訳が分からないなりにも理解したわけで・・・。
夏希に好意を寄せている律に、これは辛い。・・やっぱり、いろんな意味で。
どんどんと律の顔に熱が溜まってゆく。
「律、ちょっと熱あるんじゃね?ってか・・・なんかどんどん熱くなってるような・・・?」
首筋に顔を埋め、そう言いながらすりすりと顔をこすり付ける。
どうやら、夏希は律の熱を測りたかっただけのようだ。
ここで、手を伸ばして熱を測るのに定番の位置である額を触らない訳をお教えしよう。
理由は簡単。赤嶺家では、額ではなく首筋で熱を測るからだ。
ならば何故手ではなく顔なのか。それは昔、夏希が遊び半分でこれをやった時に律が風邪を引いてる事に気づいた事があるからだ。
それ以来、律だけにこの測り方をする。(律が「これを他の奴にするな!」と叫んだためであるが)
つまり、律の首筋に顔を埋めている訳ではなく、自分の額を使い、律の首筋から熱がどの程度だか測っているのだ。
それを分かっていても、やはりやられると辛いわけで・・・。
律はようやく我に返り、とっさに夏希の頭に拳骨を落とした。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!」
いつかのように声にならない悲鳴を上げた夏希は、その場に座り込む。
律は興奮で息を乱し、顔を真っ赤にしながら夏希の頭に落とした拳骨を震わせた。
「何すんだよっ!!!!!!」
ガバッと立ち上がり、涙目&上目遣いで律を睨みながら律を睨む。
「〜〜〜〜っ!!!/////////// ・・・・・・ゴメン・・・」
それに律も声にならない悲鳴を上げる。
朝から訪れる爆弾的行為にもういろんなものが限界のようだ。が、今回は誰に迷惑をかけたわけでもないので、謝ることしか出来なかった。
・・・いや、律は十分迷惑をかけられているような気もするのだが、それはそれ、これはこれ、のようだ。
それに、これをやってもらえるのは自分だけの特権なのだ。・・・風邪以前に心臓が止まりそうだが。
「むぅ〜、オレは律が具合悪いんじゃないかって心配したのに・・・」
そこまで恨めしそうに呟き、夏希はハタ・・・と何かを思い出したような顔をした。
「そうだよ!律、何で今日は出てくるの遅かったんだ?」
いつもは自分を家の前で仁王立ちして待っている律が自分より遅くに出てきたから、具合が悪いのではないかと心配したのだ。
実際、昔、数えるほどしかないが、律は体調を崩しながらも学校へ行くために家を出てきたが、その時は自分よりも遅く家を出てきた。
だから、今回もそうだと思ったのだ。
「・・・ちょっと・・・寝付けなくてな・・・」
そう言いつつ、小さく欠伸をする律は確かに眠そうだ。
学校に向かうために歩き出しながら、夏希は律を見上げる。
「珍しいな?いつもさっさと寝るのに」
夏希の言葉に、律ははぁ・・・とため息をついた。
それにむぅ?と夏希は首を傾げる。
律のため息が、全部とは言わないが、自分に向けてつかれたものだとなんとなく感じ取ったからだ。
「何でオレのせいなんだよ?」
そう尋ねる夏希に、律は小さく首を振った。
「別に夏希に対してため息ついたわけじゃない。・・昨日の話の事、考えてたんだ」
律の言葉に、夏希は「昨日・・・」と呟く。
「先輩たちの話・・だよな?・・・・・・なんか・・・不安・・なのか・・・?」
そう尋ねる夏希の方がよっぽど不安そうな顔をしながら律を見上げる。
夏希としては、特に不安に感じる事はなかったのだが、考える事が苦手なので、自分より遥かに頭のキレる律の発言に不安を感じ始めたようだ。
その夏希の、不安を感じ始め、痛々しいほどの表情に、律は安心させるための微笑みを浮かべた。
「大丈夫だからそんな顔すんな」
ぽんっ、と自分より頭1つ下にある夏希の頭を軽く叩いてやれば、ようやく夏希は落ち着きを取り戻したらしい。
だがすぐに、「じゃぁ、何?」と問いかけてくる。
「・・不安なわけじゃないが・・・まぁ、まだ腑に落ちないものがあって・・・」
実際にはまだその腑に落ちないもののせいで不安要素を抱えてはいるのだが、それを素直に言ってしまってまた夏希を不安にさせるのも嫌だった律はそう告げる。
それに素直に引っかかった夏希は、「そっか・・・」と呟く。
「まぁ、詳しい話は今日って話だったし・・・学校に行ってからだな」
律の独り言に、夏希はコクコクと頷いた。
****************************
学校に着き、教室に入ると、夏希の周りにすぐ人が集まってくる。
入学してそこまで日が経っているわけではないが、夏希は自然と人に好かれる何かを持っているのだろう。
そして、それは律にとって少々疎ましい事だ。
夏希が楽しそうにしているのはとても嬉しいが、それが他の人間によってなのは嫌な事らしい。
「夏希!昨日のテレビ見たか!?暴走族vs交通警察!」
「あっ!見た見た!なんかどっちもすっごいよなぁ・・・」
早速夏希にクラスメイトが話しかける。
それに興奮したように声を上げ、心底感心したように呟けば、クラスメイトはさらに明るい顔になる。
「だよなぁ〜。オレ絶対無理だわ」
「誰もやれなんて言ってないって」
自分の発言に夏希のツッコミが入り、クラスメイトは満足したようだ。
「夏希っ!宿題やったか!?」
1つの話題がとりあえず終わった途端に新たな言葉がかけられる。
「えっ・・・宿題・・・?」
その言葉に夏希の顔が青くなる。
「・・英語の意味調べか・・・」
小さく律が呟いた。
昨日の事件のせいで律も宿題があることを忘れていたようで、声が無念そうだ。
その呟きに、夏希は悲鳴を上げる。
「忘れてたっ!!!」
律が忘れていたぐらいだ。夏希が覚えているはずもない。
「よっしゃぁ!仲間見っけ!4時間目までにやろうぜ!」
その言葉に夏希はコクコクコと激しく頷き、律に視線を向ける。
「律もやるよな!?」
必死のあまり、薄っすらと涙目になった瞳で律を見ながら声を上げる。
幼馴染である夏希は、律がどれほど頭がいいかを知っている。
そして自分の成績がお世辞でもよいといえない事など、無論承知だ。
「やるけど・・・」
そう答えると夏希は上目遣いで律を見上げる。
「・・ちょっとでもいいから・・・手伝ってもらったり・・・って・・ダメ・・・?」
実は夏希は、今まで宿題の答えを写さしてもらった事がない。
自分の成績が悪いからこそ、宿題は自分で真面目に派なのだ。
もちろん、律にヒントや解き方を教わるが、それでも自力でやる。
・・・なのに何故成績が悪いままなのか・・・という難問には「さぁ?」という曖昧な答えを返させていただきます。
だが、辞書もないこの状況で、英語の単語の意味調べなど出来るはずもなく。
つまり、律がこれから書く意味を写す事しか方法がないのだ。
夏希はそれについての承諾をとっているのだ。
言外のお願いに、律は小さく頷いた。
律にしてみれば夏希のためなら宿題を写させるなど、どうという事はない。
ただ、いつも夏希が宿題を頑張って仕上げている事を知っているため、律は後悔していた。
「(俺が覚えてたら夏希に電話出来たのに・・・)」
こう考えるあたり、律の世界は夏希を中心に回っている事がよく分かる。
律がそんな後悔をしている間、夏希は早速宿題に取り掛かろうと机の上に置きっぱなしになっていたバッグを机の脇にかけた。
と、その時だった。
「夏希ー!・・青桐!先輩が呼んでるぜ!」
ドア付近に居たクラスメイトが夏希と律を呼んだ。
そちらに視線を向けると、見覚えのある二人組みが立っていた。
だが、昨日とは印象が微妙に違う。
「・・・裕輔先輩と・・桃夜先輩・・・?」
戸惑いがちに夏希が二人の名前を呼ぶ。
その声に、二人はそれぞれ笑顔で反応を返す。名前はあっているようだ。
戸惑うのも訳はない。裕輔は髪の色は金髪のままだが、昨日は金色だった瞳は黒になっており、桃夜に至っては髪も瞳も黒だった。
それぞれ金色と桃色が多少混ざっているようだが、それでもやはり黒と言える。
ちなみに、桃夜はちゃんと制服(つまりズボン)を着てるようなので、それも戸惑う原因のようだ。
「おはよう」
ニコリと微笑んで桃夜が挨拶をする。その横で裕輔も「よっ!」と片手を挙げた。
戸惑いの表情を浮かべる夏希の隣で、律は警戒するように二人を睨む。
「んなに睨むなよ。怖いっての」
裕輔が茶化すように言うが、やはり律には効果はないようだ。
「だ、だって・・・髪とか・・・」
夏希が戸惑いの声で呟くように言うと、桃夜は自身の肩より少し長い髪を自分で見えるところまで持ってくる。
「そっか・・・、あの時は変身中だったから・・・」
小さく桃夜が呟いたのを、律は耳聡く聞き取った。
しかし特にリアクションを起こさなかったので、桃夜は髪を後ろにはらい、にこりと笑みを浮かべた。
「その事も含め、もうちょっと話がしたいから、昼休みに解決部に来てくれるかな?放課後はほら、部活があるし」
その言葉に、夏希は「そっか」と頷く。
「桃夜先輩は吹奏楽部、裕輔先輩は陸上部で忙しいですもんね」
その言葉に、三人がそれぞれ驚いた表情を浮かべた。
「・・よく覚えてたなぁ・・・」
その裕輔の呟きに、夏希はえっへん!と胸を張る。
「こういう事は物覚えいいんですっ!」
「それを勉強に回せたらいいのにな」
夏希の言葉に、律はさらりとそう言った。
夏希は勉強に関する物覚えがすこぶる悪い。が、なぜか人に関する事には超人的な記憶力を発揮する。
名前と顔は一発で覚えるし、誕生日や血液型なども忘れない。趣味やら特技やら、食べ物の好みまで一度で覚えてしまうのだ。
夏希以外の人間にまったく興味のなく、他の人間の名前を一度で覚えられた事などない律にとっては、この特技は感心すると同時に心底いらない特技だと思ってしまう。
「悪かったなぁっ!!!」
律の言葉にぐっ、と詰まった夏希は、そのままちょっと涙目になりながら怒鳴る。
それに対する律はシレッとした顔でそっぽを向いている。
「・・まぁとりあえず、お昼休み、待ってるね」
桃夜が苦笑しながらそう告げると、夏希は「あっ、はい!」と慌てて答える。
二人が帰っていくのを少しの間見送り、二人は自分の席へと戻る。
「夏希、いつの間にあんな先輩たちと仲良くなったんだ?あれ、バスケ部の先輩じゃないだろ?」
席に戻った途端、投げかけられた質問に、夏希は「えっと・・・」と歯切れ悪く言ってから、律のほうをチラリと見る。
昨日の子をと話していいのか、尋ねているのだ。
律はその視線に、2秒ほど目をつぶる。
それに夏希はコクリと小さく頷いた。
「えと・・・・・・・・あ、そうそう。昨日の部活帰りに・・な。・・・オレ、昨日帰るの遅かったからさ、その時に会って、どうせならみんなで帰ろうってなって・・・」
夏希のその説明に、周りのクラスメイトたちは「ふぅん・・・」と頷く。
と、その時チャイムが鳴り、夏希は内心ほっとしながらも、席についたのだった。
「夏希ー!起きなさーい!」
目覚まし時計のアラームと母親の声が響く。
もそもそと布団の中で動いた夏希はふぁ・・・と小さな欠伸を漏らしながら顔を出した。
「ほらっ、早くご飯食べないと律君来ちゃうわよ」
それなりに制服に着替え、トン・・トン・・・と階段をゆっくり下りてゆく。
そんな夏希に言いながらテキパキと朝食を準備する。
彼女の名前は赤嶺愛美。昨日律が名前を出した夏希の母親だ。
年齢を曖昧にしてる童顔は、どうやらしっかり夏希に遺伝したらしい。
まだ寝ぼけ眼の夏希は椅子に座ってもまたボーっとしている。
「・・・律君、また怒るだろうなぁ・・・」
(ビクッ!)
そんな息子の姿に、愛美ははぁ・・・とため息混じりに呟いた。
その途端、夏希の身体が思い切り跳ねた。
彼の脳内では、時間通りに出てこない夏希を見下ろし、怒りも露に仁王立ちしている律が居る。
一気に覚醒した夏希は、慌てて朝食を喉に流し込む。
「ホントによく効くわv」
愛美はそんな息子の姿を見ながら、そうにこっ、と微笑んだ。
******************************
朝食を慌てて食べきった夏希は、行ってきますの挨拶もそこそこに、玄関の扉を開け放つ。
「ゴメンっ!律!!!」
そしてバッと頭を下げながらそう叫ぶ。
だが、聞こえてくるはずのため息が上から聞こえてこない。
と、いうより、律の気配がない。
幼いころから一緒に居るため、律の気配だけは人の気配に鈍感な夏希でも分かるのだ。
そろ〜っと顔を上げてみると、ちょうど向かいの家から律が出てくるのが見えた。
いつも家の前で夏希が出てくるのを待っている律が、夏希よりも家を出るのが遅い事は滅多にない。
パチパチ、と瞬きを繰り返した夏希は、しかしハッと我に返り、慌てて律のそばに駆けていく。
「あぁ・・夏希。おは――
そこで律の言葉が切れる。
それもそのはず。夏希が律に抱きつき、首筋に顔を埋めているからだ。
いきなりの事に完全に固まりつつも、思考だけは忙しく回っている。
そして、状況を訳が分からないなりにも理解したわけで・・・。
夏希に好意を寄せている律に、これは辛い。・・やっぱり、いろんな意味で。
どんどんと律の顔に熱が溜まってゆく。
「律、ちょっと熱あるんじゃね?ってか・・・なんかどんどん熱くなってるような・・・?」
首筋に顔を埋め、そう言いながらすりすりと顔をこすり付ける。
どうやら、夏希は律の熱を測りたかっただけのようだ。
ここで、手を伸ばして熱を測るのに定番の位置である額を触らない訳をお教えしよう。
理由は簡単。赤嶺家では、額ではなく首筋で熱を測るからだ。
ならば何故手ではなく顔なのか。それは昔、夏希が遊び半分でこれをやった時に律が風邪を引いてる事に気づいた事があるからだ。
それ以来、律だけにこの測り方をする。(律が「これを他の奴にするな!」と叫んだためであるが)
つまり、律の首筋に顔を埋めている訳ではなく、自分の額を使い、律の首筋から熱がどの程度だか測っているのだ。
それを分かっていても、やはりやられると辛いわけで・・・。
律はようやく我に返り、とっさに夏希の頭に拳骨を落とした。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!」
いつかのように声にならない悲鳴を上げた夏希は、その場に座り込む。
律は興奮で息を乱し、顔を真っ赤にしながら夏希の頭に落とした拳骨を震わせた。
「何すんだよっ!!!!!!」
ガバッと立ち上がり、涙目&上目遣いで律を睨みながら律を睨む。
「〜〜〜〜っ!!!/////////// ・・・・・・ゴメン・・・」
それに律も声にならない悲鳴を上げる。
朝から訪れる爆弾的行為にもういろんなものが限界のようだ。が、今回は誰に迷惑をかけたわけでもないので、謝ることしか出来なかった。
・・・いや、律は十分迷惑をかけられているような気もするのだが、それはそれ、これはこれ、のようだ。
それに、これをやってもらえるのは自分だけの特権なのだ。・・・風邪以前に心臓が止まりそうだが。
「むぅ〜、オレは律が具合悪いんじゃないかって心配したのに・・・」
そこまで恨めしそうに呟き、夏希はハタ・・・と何かを思い出したような顔をした。
「そうだよ!律、何で今日は出てくるの遅かったんだ?」
いつもは自分を家の前で仁王立ちして待っている律が自分より遅くに出てきたから、具合が悪いのではないかと心配したのだ。
実際、昔、数えるほどしかないが、律は体調を崩しながらも学校へ行くために家を出てきたが、その時は自分よりも遅く家を出てきた。
だから、今回もそうだと思ったのだ。
「・・・ちょっと・・・寝付けなくてな・・・」
そう言いつつ、小さく欠伸をする律は確かに眠そうだ。
学校に向かうために歩き出しながら、夏希は律を見上げる。
「珍しいな?いつもさっさと寝るのに」
夏希の言葉に、律ははぁ・・・とため息をついた。
それにむぅ?と夏希は首を傾げる。
律のため息が、全部とは言わないが、自分に向けてつかれたものだとなんとなく感じ取ったからだ。
「何でオレのせいなんだよ?」
そう尋ねる夏希に、律は小さく首を振った。
「別に夏希に対してため息ついたわけじゃない。・・昨日の話の事、考えてたんだ」
律の言葉に、夏希は「昨日・・・」と呟く。
「先輩たちの話・・だよな?・・・・・・なんか・・・不安・・なのか・・・?」
そう尋ねる夏希の方がよっぽど不安そうな顔をしながら律を見上げる。
夏希としては、特に不安に感じる事はなかったのだが、考える事が苦手なので、自分より遥かに頭のキレる律の発言に不安を感じ始めたようだ。
その夏希の、不安を感じ始め、痛々しいほどの表情に、律は安心させるための微笑みを浮かべた。
「大丈夫だからそんな顔すんな」
ぽんっ、と自分より頭1つ下にある夏希の頭を軽く叩いてやれば、ようやく夏希は落ち着きを取り戻したらしい。
だがすぐに、「じゃぁ、何?」と問いかけてくる。
「・・不安なわけじゃないが・・・まぁ、まだ腑に落ちないものがあって・・・」
実際にはまだその腑に落ちないもののせいで不安要素を抱えてはいるのだが、それを素直に言ってしまってまた夏希を不安にさせるのも嫌だった律はそう告げる。
それに素直に引っかかった夏希は、「そっか・・・」と呟く。
「まぁ、詳しい話は今日って話だったし・・・学校に行ってからだな」
律の独り言に、夏希はコクコクと頷いた。
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学校に着き、教室に入ると、夏希の周りにすぐ人が集まってくる。
入学してそこまで日が経っているわけではないが、夏希は自然と人に好かれる何かを持っているのだろう。
そして、それは律にとって少々疎ましい事だ。
夏希が楽しそうにしているのはとても嬉しいが、それが他の人間によってなのは嫌な事らしい。
「夏希!昨日のテレビ見たか!?暴走族vs交通警察!」
「あっ!見た見た!なんかどっちもすっごいよなぁ・・・」
早速夏希にクラスメイトが話しかける。
それに興奮したように声を上げ、心底感心したように呟けば、クラスメイトはさらに明るい顔になる。
「だよなぁ〜。オレ絶対無理だわ」
「誰もやれなんて言ってないって」
自分の発言に夏希のツッコミが入り、クラスメイトは満足したようだ。
「夏希っ!宿題やったか!?」
1つの話題がとりあえず終わった途端に新たな言葉がかけられる。
「えっ・・・宿題・・・?」
その言葉に夏希の顔が青くなる。
「・・英語の意味調べか・・・」
小さく律が呟いた。
昨日の事件のせいで律も宿題があることを忘れていたようで、声が無念そうだ。
その呟きに、夏希は悲鳴を上げる。
「忘れてたっ!!!」
律が忘れていたぐらいだ。夏希が覚えているはずもない。
「よっしゃぁ!仲間見っけ!4時間目までにやろうぜ!」
その言葉に夏希はコクコクコと激しく頷き、律に視線を向ける。
「律もやるよな!?」
必死のあまり、薄っすらと涙目になった瞳で律を見ながら声を上げる。
幼馴染である夏希は、律がどれほど頭がいいかを知っている。
そして自分の成績がお世辞でもよいといえない事など、無論承知だ。
「やるけど・・・」
そう答えると夏希は上目遣いで律を見上げる。
「・・ちょっとでもいいから・・・手伝ってもらったり・・・って・・ダメ・・・?」
実は夏希は、今まで宿題の答えを写さしてもらった事がない。
自分の成績が悪いからこそ、宿題は自分で真面目に派なのだ。
もちろん、律にヒントや解き方を教わるが、それでも自力でやる。
・・・なのに何故成績が悪いままなのか・・・という難問には「さぁ?」という曖昧な答えを返させていただきます。
だが、辞書もないこの状況で、英語の単語の意味調べなど出来るはずもなく。
つまり、律がこれから書く意味を写す事しか方法がないのだ。
夏希はそれについての承諾をとっているのだ。
言外のお願いに、律は小さく頷いた。
律にしてみれば夏希のためなら宿題を写させるなど、どうという事はない。
ただ、いつも夏希が宿題を頑張って仕上げている事を知っているため、律は後悔していた。
「(俺が覚えてたら夏希に電話出来たのに・・・)」
こう考えるあたり、律の世界は夏希を中心に回っている事がよく分かる。
律がそんな後悔をしている間、夏希は早速宿題に取り掛かろうと机の上に置きっぱなしになっていたバッグを机の脇にかけた。
と、その時だった。
「夏希ー!・・青桐!先輩が呼んでるぜ!」
ドア付近に居たクラスメイトが夏希と律を呼んだ。
そちらに視線を向けると、見覚えのある二人組みが立っていた。
だが、昨日とは印象が微妙に違う。
「・・・裕輔先輩と・・桃夜先輩・・・?」
戸惑いがちに夏希が二人の名前を呼ぶ。
その声に、二人はそれぞれ笑顔で反応を返す。名前はあっているようだ。
戸惑うのも訳はない。裕輔は髪の色は金髪のままだが、昨日は金色だった瞳は黒になっており、桃夜に至っては髪も瞳も黒だった。
それぞれ金色と桃色が多少混ざっているようだが、それでもやはり黒と言える。
ちなみに、桃夜はちゃんと制服(つまりズボン)を着てるようなので、それも戸惑う原因のようだ。
「おはよう」
ニコリと微笑んで桃夜が挨拶をする。その横で裕輔も「よっ!」と片手を挙げた。
戸惑いの表情を浮かべる夏希の隣で、律は警戒するように二人を睨む。
「んなに睨むなよ。怖いっての」
裕輔が茶化すように言うが、やはり律には効果はないようだ。
「だ、だって・・・髪とか・・・」
夏希が戸惑いの声で呟くように言うと、桃夜は自身の肩より少し長い髪を自分で見えるところまで持ってくる。
「そっか・・・、あの時は変身中だったから・・・」
小さく桃夜が呟いたのを、律は耳聡く聞き取った。
しかし特にリアクションを起こさなかったので、桃夜は髪を後ろにはらい、にこりと笑みを浮かべた。
「その事も含め、もうちょっと話がしたいから、昼休みに解決部に来てくれるかな?放課後はほら、部活があるし」
その言葉に、夏希は「そっか」と頷く。
「桃夜先輩は吹奏楽部、裕輔先輩は陸上部で忙しいですもんね」
その言葉に、三人がそれぞれ驚いた表情を浮かべた。
「・・よく覚えてたなぁ・・・」
その裕輔の呟きに、夏希はえっへん!と胸を張る。
「こういう事は物覚えいいんですっ!」
「それを勉強に回せたらいいのにな」
夏希の言葉に、律はさらりとそう言った。
夏希は勉強に関する物覚えがすこぶる悪い。が、なぜか人に関する事には超人的な記憶力を発揮する。
名前と顔は一発で覚えるし、誕生日や血液型なども忘れない。趣味やら特技やら、食べ物の好みまで一度で覚えてしまうのだ。
夏希以外の人間にまったく興味のなく、他の人間の名前を一度で覚えられた事などない律にとっては、この特技は感心すると同時に心底いらない特技だと思ってしまう。
「悪かったなぁっ!!!」
律の言葉にぐっ、と詰まった夏希は、そのままちょっと涙目になりながら怒鳴る。
それに対する律はシレッとした顔でそっぽを向いている。
「・・まぁとりあえず、お昼休み、待ってるね」
桃夜が苦笑しながらそう告げると、夏希は「あっ、はい!」と慌てて答える。
二人が帰っていくのを少しの間見送り、二人は自分の席へと戻る。
「夏希、いつの間にあんな先輩たちと仲良くなったんだ?あれ、バスケ部の先輩じゃないだろ?」
席に戻った途端、投げかけられた質問に、夏希は「えっと・・・」と歯切れ悪く言ってから、律のほうをチラリと見る。
昨日の子をと話していいのか、尋ねているのだ。
律はその視線に、2秒ほど目をつぶる。
それに夏希はコクリと小さく頷いた。
「えと・・・・・・・・あ、そうそう。昨日の部活帰りに・・な。・・・オレ、昨日帰るの遅かったからさ、その時に会って、どうせならみんなで帰ろうってなって・・・」
夏希のその説明に、周りのクラスメイトたちは「ふぅん・・・」と頷く。
と、その時チャイムが鳴り、夏希は内心ほっとしながらも、席についたのだった。

